Metacat のプロパティのうち動的なものの大半は、Metacat の Configuration Interface ( Metacat の設定 を参照)を使って 管理される。それらのプロパティは、 めったに修正されない他のプロパティと同じく、 metacat.properties ファイル内に記載されている。 以下に、これらのプロパティについてより詳しく記す。
Metacat のサーバプロパティはすべてフォーム形式の設定ユーティリティで 管理される。以下に各プロパティについてより詳しい 情報を記す。
Metacat のサーバプロパティ
プロパティ | 説明 | 例 |
---|---|---|
server.name | Metacat にアクセスするためのホスト名。なお、これは Metacat が動作しているサーバの 物理的な名前でなくてもよい。ホスト名にはプロトコル接頭辞(http://)は含めない。 初期値: localhost |
knb.ecoinformatics.org |
server.httpPort | Metacat に安全でない(標準の)アクセスをするためのポート番号。 Apache ウェブサーバが動いている場合はたいてい 80 で、Tomcat が単独で動いている場合は 8080。 初期値: 80 |
80 |
server.httpSSLPort | Metacat に安全な接続でアクセスするのに使うポート番号。 Apache ウェブサーバが動いていれば普通は 443 で、Tomcat 単独なら 8443 が普通。 初期値: 443 |
443 |
Metacat のアプリケーションプロパティを以下に説明する。 metacat.properties を手作業で編集するしかないプロパティには 印をつけてある。 他のプロパティはすべてプロパティ設定ユーティリティで管理される。
プロパティ | 説明 | 例 |
---|---|---|
application.metacatVersion* | Metacat のバージョン番号。これはビルド時にビルドエンジニアが設定する。 通常は、決して変更するべきでない。 初期値: X.X.X (ここで X.X.X は Metacat の現在のバージョン) |
1.9.0 |
application.metacatReleaseInfo* | 目的を示すためのリリース情報。典型的にはリリース候補作成の過程で使用され、 ユーザにどの候補をダウンロードしているのかを知らせるために用いる。 | Release Candidate 1 |
application.deployDir | ウェブアプリケーションが配置されるディレクトリ。通常は、Tomcat の インストール先の “webapps” というディレクトリ。 | /usr/local/tomcat/webapps |
application.context | 配置ディレクトリの中の、Metacat アプリケーションの名前。 これは WAR ファイル名の最初の部分に対応する(.war の前の部分)。 通常は “knb” だが、他のものに変更することもできる。 | knb |
application.default-style | 各自の Metacat 用スキン。通常は各組織のテーマに関連したもの。 もし自分の組織が独自のスキンを持っていない場合は、 “default” のままにしておく。 | default |
application.knbSiteURL | KNB ウェブサイト。 |
http://knb.ecoinformatics.org |
application.datafilepath | データファイルを格納するディレクトリ。このディレクトリは Metacat の インストール先の外側にあるべきであり、そうすることで Metacat を アップグレードした時にデータファイルの消失を避けることができる。 データファイルディレクトリは Tomcat の起動ユーザから(すなわちMetacat から) 書き込み可にしなければならない。 初期値: /var/metacat/data |
/var/metacat/data |
application.inlinedatafilepath | インラインデータファイルが格納されるディレクトリ。 インラインデータファイルは EML メタデータに埋め込まれたデータから 作成される。このディレクトリは Metacat をインストールしたディレクトリの 外側にあるべきであり、そうすることで Metacat のアップグレード時に データファイルの消失を避けることができる。 データの明確化のため、 application.datafilepath と同じにはしない方が いいだろう。このディレクトリは Tomcat (すなわち Metacat )の起動ユーザ から書き込み可でなければならない。 初期値: /var/metacat/inline-data |
/var/metacat/inline-data |
application.documentfilepath | メタデータファイルが格納されるディレクトリ。 このディレクトリは Metacat をインストールしたディレクトリの 外側にあるべきであり、そうすることで Metacat のアップグレード時に 文書ファイルの消失を避けることができる。 構造を明確にするため、これは application.datafilepath や application.inlinedatafilepath と同じにするべきでないだろう。 このディレクトリは Tomcat (すなわち Metacat )の起動ユーザ から書き込み可でなければならない。 初期値: /var/metacat/documents |
/var/metacat/documents |
application.tempDir | Metacat の data registry が一時ファイルを保管するディレクトリ。 このディレクトリは application.datafilepath や application.inlinedatafilepath (あるいは他の永続ファイルのパス) と同じにするべきでない。なぜならここにある全ファイルはプログラムによって 消去される可能性があるからだ。この一時ファイルディレクトリは Apache の起動ユーザから書き込み可でなければならない。 初期値: /var/metacat/temporary |
/var/metacat/temporary |
Metacat のデータベースプロパティを以下に説明する。 metacat.properties を手作業で編集するしかないプロパティには 印をつけてある。 他のプロパティはすべてプロパティ設定ユーティリティで管理される。
Metacat のデータベースプロパティ
プロパティ | 説明 | 例 |
---|---|---|
database.connectionURI | Metacat のデータベースインスタンス用の JDBC 接続 の URI URI は次のような書式である jdbc:<database_type>:thin@<your_server_name>:1521:<metacat_database_name> 註: Metacat の初回設定の前に空のデータベースを作成しなければならない。 |
jdbc:postgresql://yourserver.yourdomain.edu/metacat |
database.user | Metacat のデータベースインスタンス用のユーザ。 このユーザはデータベース上で予め作成されてなければならない。 | metacat-user |
database.password | Metacat のデータベースインスタンス用のユーザのパスワード。 このパスワードは予め設定されていなければならない。 | securepassword4843 |
database.type | 使用しているデータベースの種類。現時点では、2種類をサポートしている。 すなわち、Oracle と Postgres. | postgres |
database.driver | Metacat のデータベースインスタンスにアクセスするのに使用する JDBC ドライバ。 それぞれのデータベースの種類ごとに関連するドライバがある。 | org.postgresql.Driver |
database.adapter | Metacat が各データベースアクセスできるようにするアダプタクラス。 データベースの各種類ごとに関連するアダプタがある。 | edu.ucsb.nceas.dbadapter.PostgresqlAdapter |
database.scriptsuffix.<database_type> | データベースシェーマのインストールや更新の時に実行するためのスクリプトが、postgres 用か oracle 用か どちらなのかシステムが判断するための接尾辞 初期値: database.scriptsuffix.postgres=postgres.sql database.scriptsuffix.oracle=oracle.sql |
postgres.sql |
database.upgradeVersion.<database_version> | データベースシェーマの更新時に、どのスクリプトを実行するべきかを指示する。 Metacat データベースシェーマの各バージョンごとに database.upgradeVersion を指定する。 シェーマの各バージョンはアプリケーションのバージョンに対応している。 初期値: database.upgradeVersion.0.0.0=xmltables,loaddtdschema database.upgradeVersion.1.2.0=upgrade-db-to-1.2 database.upgradeVersion.1.3.0=upgrade-db-to-1.3 database.upgradeVersion.1.4.0=upgrade-db-to-1.4 database.upgradeVersion.1.5.0=upgrade-db-to-1.5 database.upgradeVersion.1.6.0=upgrade-db-to-1.6 database.upgradeVersion.1.7.0=upgrade-db-to-1.7 database.upgradeVersion.1.8.0=upgrade-db-to-1.8 database.upgradeVersion.1.9.0=upgrade-db-to-1.9 database.upgradeVersion.2.0.0=upgrade-db-to-2.0 |
upgrade-db-to-1.2 |
database.initialConnections* | Metacat がデータベースに対して作成する初期接続数 初期値: 5 |
5 |
database.incrementConnections* | より多くの接続が必要になった時に Metacat が作成する接続数 初期値: 5 |
5 |
database.maximumConnections* | Metacat が作成することができるデータベース接続の最大数 初期値: 200 |
25 |
database.maximumConnectionAge* | データベース接続の最大生存時間(ミリ秒単位) 初期値: 120000 |
120000 |
database.maximumConnectionTime* | データベース接続が実際に接続した時間の最大積算値(ミリ秒単位) 初期値: 60000 |
60000 |
database.maximumUsageNumber* | ひとつの接続に対する最大使用回数 初期値: 100 |
100 |
database.numberOfIndexingThreads* | インデクス作成に使用できるスレッド数 初期値: 5 |
5 |
database.indexingTimerTaskTime* | インデクス作成の時間間隔(ミリ秒単位) 初期値: 604800000 |
604800000 |
database.indexingInitialDelay* | 初回のインデクス作成が実行される前の待機時間(ミリ秒単位) 初期値: 3600000 |
3600000 |
database.maximumIndexDelay* | docid が得られない時、インデクス作成スレッドが作業を再試行する前に待機する時間(ミリ秒単位) 初期値: 5000 |
5000 |
database.runDBConnectionRecycleThread* | データベース接続プールが、接続をリサイクルするためのスレッドを実行するべきかどうか、を決める。 “on” と “off” が指定可能。 初期値: off |
off |
database.cycleTimeOfDBConnection* | 接続リサイクルが実行される時間間隔(ミリ秒単位) 初期値: 30000 |
30000 |
database.queryignoredparams* | 構造化された XML 検索において無視するべきパラメータ 初期値: enableediting,foo |
enableediting |
database.usexmlindex* | 文書探索時に XML インデクスを使用するかどうか。 true と false を指定可能。 初期値: true |
true |
database.appResultsetSize* | 検索結果をアプリケーションに返す時の最大件数 初期値: 7000 |
7000 |
database.webResultsetSize* | 検索結果をウェブブラウザに返す時の最大件数 初期値: 7000 |
7000 |
database.xmlReturnfieldCount* | ある検索の検索結果がこの値の回数よりも多く返された場合、その検索結果をデータベースの xml_queryresult テーブルに追加する。たとえば、50回の要求があった場合にのみ検索結果を xml_queryresult に格納するようにしたい場合は、この値を 50 に設定する。 初期値: 0 |
0 |
database.queryresultStringLength* | queryresult テーブル内の検索結果文字列の最大サイズ。 データベースを使用している場合は 4000 以下の数値にすること。 初期値: 500000 |
500000 |
database.queryresultCacheSize* | キャッシュされる検索結果の数 初期値: 500 |
500 |
database.queryCacheOn* | 検索キャッシュを有効にするかどうか。 “on” か “off” を指定可能。 初期値: on |
on |
Metacat の権限と認証のプロパティについて以下の表で説明している。 metacat.properties を手作業で編集するしかないプロパティには 印をつけてある。 他のプロパティはすべてプロパティ設定ユーティリティで管理される。
権限と認証のプロパティ
プロパティ | 説明 | 例 |
---|---|---|
auth.class | ユーザ認証に使用するクラス。現時点では、AuthLdap クラスのみが Metacat の配布物に含まれている。 註: AuthInterface インタフェイスを拡張した Java クラスを実装して リビルドすることで他の認証方式を実装した場合は、 その独自の認証クラスの完全な名前をこのプロバティに設定すること。 初期値: edu.ucsb.nceas.metacat.AuthLdap |
edu.ucsb.nceas.metacat.AuthLdap |
auth.timeoutMinutes* | 何の操作もせずにユーザが Metacat にログインしたままで居られる時間(分単位) 初期値: 180 |
180 |
auth.administrators | Metacat の管理権限を持つユーザまたはグループのリスト(コロン区切り)。 Metacat を初めてインストールして設定した時に、少なくともひとりのユーザまたは グループを入力しなればならない。設定を継続するには全アカウントが LDAP に 存在していなければならない。 | uid=youruser,o=NCEAS,dc=ecoinformatics,dc=org cn=yourgroup,o=NCEAS,dc=ecoinformatics,dc=org |
auth.url | Metacat が認証に使用するべきサーバの URL。 |
ldap://ldap.ecoinformatics.org:389/ |
auth.surl | Metacat が安全な認証に使用するべきサーバの URL 。 |
ldap://ldap.ecoinformatics.org:389/ |
auth.base | 認証しようとする Metacat ユーザの識別名の基本部分。 初期値: dc=ecoinformatics,dc=org |
dc=ecoinformatics,dc=org |
auth.allowedSubmitters | Metacat に文書を送信できるユーザのリスト(コロン区切り)。 値が指定されていない場合は、全ユーザが Metacat に送信できる。 初期値: (none) |
uid=youruser,o=NCEAS,dc=ecoinformatics,dc=org |
auth.deniedSubmitters | 文書の送信を許可しないユーザのリスト(コロン区切り)。 値が指定されていない場合は、全ユーザが文書を送信できる。 初期値: (none) |
uid=youruser,o=NCEAS,dc=ecoinformatics,dc=org |
ldap.connectTimeLimit* | LDAP サーバへの接続を許す時間(ミリ秒単位) 初期値: 5000 |
5000 |
ldap.searchTimeLimit* | LDAP サーバの検索に対して許される時間(ミリ秒単位) 初期値: 30000 |
3000 |
ldap.searchCountLimit* | LDAP サーバの検索に対する検索結果の最大件数 初期値: 30000 |
30000 |
ldap.referral* | LDAP の紹介機能としてどの種類を使用するか。指定可能な値は “follow”, “throw” または “none”。 より詳しくは LDAP の説明書を参照のこと。 初期値: follow |
follow |
ldap.onlySecureConnection* | 安全な LDAP サーバだけを使用するかどうかを決める。 指定可能な値は “true” と “false”. 初期値: false |
false |
ldap.onlySecureReferalsConnection* | 安全な紹介サーバのみを使用するかどうか決める。 指定可能な値は “true” と “false”. 初期値: false |
false |
Metacat の XML/EML プロパティについて以下で説明する。 これらのプロパティは手作業で metacat.properties ファイルを 編集するしかない。
XML/EML プロパティ
プロパティ | 説明 | 例 |
---|---|---|
xml.saxparser | XML 文書を解析するのに使用する SAX パーサ。 Metacat は SAX2 互換の XML パーサを必要とする。 初期値: org.apache.xerces.parsers.SAXParser |
org.apache.xerces.parsers.SAXParser |
xml.eml2_0_0namespace | EML 2.0.0 文書の名前空間 初期値: eml://ecoinformatics.org/eml-2.0.0 |
eml://ecoinformatics.org/eml-2.0.0 |
xml.eml2_0_1namespace | EML 2.0.1 文書の名前空間 初期値: eml://ecoinformatics.org/eml-2.0.1 |
eml://ecoinformatics.org/eml-2.0.1 |
xml.eml2_1_0namespace | EML 2.1.0 文書の名前空間 初期値: eml://ecoinformatics.org/eml-2.1.0 |
eml://ecoinformatics.org/eml-2.1.0 |
xml.packagedoctype | パッケージファイルの文書型。システムはこの型の文書を パッケージファイルとしか認識しない。 package の説明文を参照のこと。 初期値: -//ecoinformatics.org//eml-dataset-2.0.0beta6//EN |
-//ecoinformatics.org//eml-dataset-2.0.0beta6//EN -//ecoinformatics.org//eml-dataset-2.0.0beta4//EN |
xml.accessdoctype | アクセス制御リスト (ACL) ファイルの文書型。システムは この型の文書をアクセスファイルとしか認識しない。 アクセス制御の説明書を参照のこと。 初期値: -//ecoinformatics.org//eml-access-2.0.0beta6//EN |
-//ecoinformatics.org//eml-access-2.0.0beta6//EN -//ecoinformatics.org//eml-access-2.0.0beta4//EN |